Windows CE (.NET) とか IoTとか

組込みWindows と IoTの話を扱います

Windows CE 6 Beta (その2)

さて、ツールの紹介です。

Platform Builder 6はVisual Studio 2005の Plug-inになります。Plug-inということは、これを動作させるためにはVisual Studio 2005本体が必要になります。Windows CE 6 BetaのパッケージにはVisual Studio 2005 Professionalの180日評価版が付属していて、これを使用してPlatform Builderを動作させることもできます。

製品版でVS2005が付属するのか、別売りなのかはまだ「未定」だそうです。

※未確認ですが、Visual Studio 2005のPlug-inはManaged Codeで開発されているという話があります。(dumpbinを使えばすぐに確認可能ですが...)

VS2005とCE 6をインストールすると、Visual Studio の"New Project Wizard"でそのほかのプロジェクトタイプに"Platform Builder"というカテゴリが追加され、その中に"OS Design"アイコンが登録されます。これをクリックしてOS Design名を入力するところからWizardが始まります。あとはこれまでと同様に、

 BSPの選択

 OSデザインテンプレートの選択

 テンプレート内でのVariantsの選択

 使用コンポーネントの微調整

と進んで行きます。ウィザードが終了すると、OSデザインと同時にVisual Studio .NET系で使用するソリューションファイルが作成されます。ということは、一つのソリューション内に複数のOSデザインを格納したり、Native/Managed開発プロジェクトを追加することも可能なはずですね。

さて、OSデザイン用ワークスペースが開いた後まず目に付く違いは、これまで"Feature View"といっていたOSコンポーネントの選択を示すウインドウです。CE 6ではCatalog View とFeature Viewが一体になり、現在選択中のアイテムがCatalog View内のチェックボックス付きアイコンで示されます。依存関係の表示はチェックボックスが通常のチェックではなく、緑の四角で表示されることによってあらわされます。またツリーはフィルタを適用することができ「現在選択中のアイテムのみ表示」のようなフィルタ設定を選ぶことができます。

これまでプロの間では"PBプロジェクト"または"PBPXMLプロジェクト"と呼ばれていた、ワークスペース内の追加ビルドアイテムは、CE 6 ではサブプロジェクトという名前になりました。サブプロジェクトはOSデザイン内に追加されるアイテムで、OSビルド時に同時にビルドされます。サブプロジェクト専用の.bib、.reg、.dat、.dbファイル設定はCE 5と同じくサブプロジェクト内の個別の設定ファイルに直接記述されます。

さて、Catalog Viewアイテムの追加にはこれまで.CECファイルが使用されてきましたが、CE 6 ではCatalog XMLファイルが導入されました。Catalog XMLファイルはその名のとおりXML記述のコンポーネント情報ファイルですが、

1. 特定のフォルダにコピーすることで認識される(UIによるImport不要)

2. PB ToolにCatalog Editoeが用意される

という特徴があります。Import不要にすることにより、バッチビルドやバージョン管理が楽になります。

目新しいツールアイテムとしては上記以外にも

- .BIB Editor

.BIBファイルの編集を行う。

- .REG Editor

.REGファイルの編集を行う。"RegEdit"ビューと"Source"ビューがある。

- Runtime Image Viewer

NK.BINに含まれるファイルやレジストリファイルシステムアイテムを表示/比較することができる。

が用意されます。

CE 6 Betaに含まれるBSPは以下のようになります。

Intel Mainstone III C-Step (ARMv4I)

Plato VoIPReference Platform (ARMv4I)

Device Emulator (ARMv4I)

TI OMAP 2420 (ARMv6)

NEC Rockhopper SG2 Vr5500 (MIPSII/II_FP/IV/IV_FP)

Hitachi/Renesas Aspen (SH4)

CEPC (x86)

Device Emulator BSPを使用することにより、ほかのVisual Studio 2005環境で使用可能な特製のエミュレータイメージを含んだSDKをPB 6で作成することができます。リリース時にはDevice EmulatorはKITL over DMA Transportをサポートする、Device Emulator 2.0になる予定だそうです。

また、これまでeVCやリモートツール(リモートレジストリエディタなど)で長らく使われてきたPlatform Managerですが、これもCE 6ではCoreCon上で動作するリモートツール(か、まったく新規のツール)にリプレースされる予定です。ちなみに次期Visual Studio コードネーム"Orcas"ではCoreCon2.0が搭載される予定だそうです。

参考:MEDC2006参加者へ

- EMB210 Windows CE 6 Overview

- EMB206 What’s new in the Next Version of Windows CE Tools

- EMB211 Platform Builder Debugger in the new VS 2005 Shell

- APP315 VSD Core Connectivity Framework & Remote Tools

- ILL207 An Early Look at the Next Version of Windows CE and Platform Builder