Windows CE (.NET) とか IoTとか

組込みWindows と IoTの話を扱います

WINNET6の仕様

突然ですが、このページでしばしば登場するBCOM WINNET6について解説します。

WINNET6は台湾BCOM社製のWindows Thin Client (WBT)用プラットフォームです。

CPU National Semiconductor Geode GX1 300MHz - 現在はAMDから

メモリ PC66 SDRAM (128MBまで動作確認済) - ノート用SODIMMまたはデスクトップ用DIMM

チップセット CX5530

インターフェース

Realtek RTL8139 10/100Mbps Ethernet

IDE 1チャンネル (UDMA 33MHzまで)

高密度DSUB 15ピンディスプレイ出力

DSUB 9ピン シリアル x 2

DSUB 25ピン パラレル x 1

USB 1.1端子(OHCI) x 2

PS/2 キーボード・マウス

AC97音声入出力

ISA/PCI共用スロット x1 - ただしISAスロットはLPCベースなのでフル機能ではない。PCIは3.3Vのみ供給

256MbitBIOSフラッシュ - AWARD Embedded BIOS(機能限定版)

M-SYSTEMS DiskOnChip2000用ソケット

フロッピーコネクタ - リボンケーブル用

縦置き用スタンド

SANY0092.JPG

DiskOnChipはローメモリ空間の16KBを使用します。先頭アドレスはジャンパによりC8000H、D0000H、D8000Hの3種類から設定可能。ただし8ビット(ISA)バス接続なので、実際のデータ転送速度はかなり遅いものになります。DOSで起動する場合はいわゆるBIOS ROM空間からDOS用ドライバを自動的にロードしあたかもハードディスクのように動作します。ほかのOSではドライバが必要になります。Windows NT系、Windows 2000/XP系、Windows CE系のほかにLinuxVxWorksのドライバもあります。ROMから直接CEを起動するときはメーカーからLoader開発キットを入手すると、ファイルシステムを使用せず普通のリニアフラッシュのようにアクセスすることも出来ます。

PCIスロットはけっこう不思議な仕様で、5Vスロットと同じコネクタ方向で実装されているのに、電源(またはI/Oバッファ?)が3.3Vとなっており、実質5V / 3.3V共用PCIボード(スロットの切り欠きが2つあるもの)しか動作しません。このようなボードにはたとえばRTL8139C実装のネットワークカード(の一部)などがあります。Sigma DesignsのMPEG2デコーダーボードも動かしたことがあります。CF-IDEが動くことから、もしかしたら5V電源は供給されているのかもしれません。

LPCベースのISAスロットは経験した人もいるかもしれませんが、動かないボードがけっこう多いです。

BIOSは一応DOSが起動可能ですが、ACPIのような高度な機能は付いていません。PCIバイスのConfigなどPnP機能は使用可能です。基本的に組み込みOSを起動するだけの用途が想定されています。Windows CEで動かすときは、このチップをPlatform Builder付属のROMLOADERで書き換えて使用することも出来ます。

電源は100W程度のスイッチング電源です。運がいいときは、3.5インチハードディスクドライブで使用されているような4ピン電源ソケットが出ていることがあります。(ないこともある)

スロットにボードをさしていないときに、ごく普通の3.5インチハードディスクを動かすくらいの電源容量の余裕はありました。

製造時期とCPUのクロックによって薄型CPUファンの付いたものと、放熱フィンだけで放熱するバージョンがあるようです。

メーカーオプションには2.5ハードディスクドライブと3.5インチフロッピードライブを載せることのできるフレームが存在します。また、別のオプションとしてはNTSCコンバータを載せたものもあるようです。