Qt4.4 for Windows CE
いくつかのニュースサイトから情報が出ていましたが、TrolltechはQtの最新バージョン4.4をリリースしたようです。
Trolltech社,GUIツール・キット「Qt」最新版でWebブラウザー機能を組み込み
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080508/151430/
GUIツールキット「Qt 4.4」のリリース候補が公開 - Windows CEをサポート
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/04/07/005/index.html
QtはLinux向けとして良く使用される描画ライブラリ(ウィジェット)で、X-Windows上で動作させたり(KDE)、素のフレームバッファ(Embedded Linux)上で動作させたりすることのできるGUI部品集です。例のLinux Zaurusも使っていました。基本的にフレームバッファさえあれば動作可能なはずで、Windows CEでもGDIの代わりにQtを使う実装というのもアリかなとは思っていました。
リリース元のTrollTechは以前GreenPhoneという、オープンなLinux携帯電話プラットフォームを推進しようとしていたこともあります。最近の話題としては「Nokiaに買収された」というのもありました。
今回のQtリリースでは動作環境としてWindows CEがサポートされ、またアップルのSafariブラウザでも使用されているオープンソースのHTMLレンダラー"WebKit"が統合されているようです。(この両者が同時に成り立っているのかどうかは確認していません。)
たぶん今回の実装はWindows Mobile上でのQt利用ソースコード移植性を向上させるための方策で、Embedded CEは眼中にはないのかもしれません(未確認)が、QtベースのプログラムをCEに移植するような場合の選択肢の一つとしては有効かもしれません。
以下から商用30日評価版のダウンロードが可能なようです。
http://trolltech.com/downloads/commercial
10月17日追記
>この両者が同時に成り立っているのかどうかは確認していません。
どうも両立しているようです。
Windows CE版のWebKitが登場
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/08/29/026/index.html
WebKit on Windows CE
http://labs.trolltech.com/blogs/2008/08/27/webkit-on-windows-ce/
別項で紹介したOpenMoko携帯「Neo Freerunner」用にもQtExtended 4.4イメージが公開されています。